曲目解説 イーハトーヴ・リコーダー合奏団公演「星の国の音楽会」のプログラム7〜9の曲目解説です。 7.川村悟朗作曲、及川茂編曲/『精神歌』 「日ハ君臨シカガヤキハ、白金ノアメソソギタリ」と始まる『精神歌』のメロディーは毎朝7時になると花巻の町に鳴り響きます。 賢治が生徒達に、農民としての誇りを持ってもらいたいという気持ちから作ったといわれます。現在では花巻農業高校の校歌としても使われています。 この曲には2つの種類があります。つまり、当音楽会で最初に演奏されるゆっくりとした8拍子の方と、後半に演奏される明るい調子の4拍子の方です。 これはどちらが最初に作曲されたものかははっきりしていません。 つまり賢治から聞き取った人の時期によって8拍子であったり、4拍子であったりした様です。すなわちどちらの拍子も正しいと言えます。 そのときの状況によって使い分けても良いという事らしいのです。 当音楽会の演奏では初めにゆっくりとした8拍子で、続いて速く明るい4拍子にしました。ちょっとだけ校歌風の味付けもしてみました。 ★歌詞 8.及川茂編曲
1曲目の『北ぞらのちぢれ羊から』は題名の無い楽曲です。 そのため詩の冒頭を題名としています。2/4拍子と3/4拍子が交互に出てくるという複雑な構成の曲です。 ★歌詞 2曲目の『耕母黄昏』はオルガン教則本に使われていた作曲者不詳の曲に賢治が詞を付けたものです。 ★歌詞 3曲目の『大菩薩峠の歌』の元になった詩は、文語詩から題名の付いていない詩『廿日月かざす刃は音無しの』に若干の手を加えられたものです。 その歌詞と曲から感じられるのは、やはり浅草オペラの影響でしょうか。 ★歌詞 4曲目の『太陽マヂックのうた』は童話『イーハトーボ農学校の春』からの曲です。 太陽マヂックのうたはもう青ぞらいっぱい、ひっきりなしにごうごうごうごうなってゐます。 ★歌詞 9.及川茂編曲
この2曲は、いずれも歌劇からの曲で賢治が気に入った旋律に歌詞を付けたものです。 1曲目の『火の島の歌』はウェーバーの歌劇『オペロン』第2幕末の『人魚達の歌』に文語詩の『火の島』から若干の修正を加えて、次のような歌詞にしました。 ★歌詞 この歌詞から受ける童話のイメージは『グスコーブドリの伝記』でしょうか。 2曲目の『角礫(かくれき)行進歌』はグノーの歌劇『ファウスト』から第4幕中の『兵士の合唱』の旋律を用いられたものです。 この『角礫行進歌』のフレーズは1989年製作の映画『風の又三郎』のオープニング・シーンに用いられました。 ★歌詞 プログラム1〜3解説 プログラム4〜6解説 プログラム10解説 HOME |