オカリナのお話


オカリナの歴史はとっても古い!
現在、日本においては私達の使用している形のオカリナが主流を占めていますが、 世界的にはまだまだ丸型や角型の6孔から8孔の楽器が一般的です。 オカリナの歴史はとても古く、また世界中にオカリナの方式(リコーダー式の発音源、素焼き製)の笛がありました。 素焼きのカップ状の笛で尺八の様に吹くものもオカリナの祖先と見る人もいます。 そうなると、まさに世界的規模で古代から作られてきた笛ということになります。 もちろん、古代の日本にも存在しました。古代のオカリナは主に神事や儀式などに使われていたと言われています。

現在のオカリナの形
現在私達の知っている形のオカリナは1860年ころイタリアのボローニャ近郊に位置する、 ブドゥリオという小さな村の菓子職人であったジュゼッペ・ドナーティによって考案されました。 その流れを伝える伝統的な形のオカリナは、私達のグループで最低音を受け持っている コントラバスの楽器(メナーリオ製)がそれにあたります。 下の写真の中で茶色い一番大きい楽器がメナーリオ製のオカリナです。 メナーリオ製の伝統的なオカリナは9孔から10孔ですが、私達のメインとしているアミーゴをはじめ、 11孔から13孔までの楽器は、日本で発明進化したものです。 日本におけるオカリナの祖ともいえる明田川孝氏の功績は大で、 1943年にアケタ・オカリナとしてオカリナ製作を事業として初めました。 現在のオカリナ・ブームも明田川氏の存在無しには語れません。オカリナは粘土の質がとても大事です。 一般的にはイタリアのテラコッタと言われる粘土が最高とされますが、 日本の粘土の質も国産の優れたオカリナに接するとかなりの質であると分かります。

日本のオカリナブーム
日本においてのオカリナの流行はTV番組のテーマ音楽に使われた独奏の影響が大きく、 そのためオカリナ=独奏というイメージが定着してしまった様です。 しかし、イタリアを初めとするヨーロッパ、アメリカなどではオカリナの合奏が盛んな様です。 私達「ザ・グース」のオカリナパートは、幸いなことに全員リコーダー合奏で鍛えられたメンバーによって結成されました。 合奏の素晴らしさと楽しさを良く知っています。そしてなによりオカリナに様々な大きさがあるということは、 合奏が出来るということなのです。今ではオカリナで合奏を楽しむ方が少しずつでも増えてきましたが、 まだまだ独奏のイメージを持っている方が多い様です。これからはオカリナ=独奏というイメージだけではなく、 合奏も出来るという考えを抱いて戴きたいのです。また訓練次第でオカリナの合奏は質の高い大変美しい合奏が可能です。 私達「ザ・グース」はその質の高い合奏の先陣が切れたと確信しております。


「ザ・グース」の使用楽器について
「ザ・グース」ではメインの使用楽器として、ジパングオリジナルのアミーゴ・オカリナを使用しています。 アミーゴ・オカリナは豊かな音量と柔らかい響き、素早いレスポンスと正確な音程が特徴の楽器で、私達の音作りの基本になっています。


私達は最低音の楽器として、イタリアのメナーリオ製コントラバス・オカリナinCを使用しております。 この楽器はずば抜けた低音の豊かさを持っています。 音の幅は9度と若干狭目ですが、高い響きが主体のオカリナ合奏においては充分過ぎるほどの圧倒的な存在感を示してくれます。

[オカリナの写真]



「ザ・グース」の使用するオカリナ
1Cアミーゴ製アンサンブルの中で最高音を受け持つ楽器です。豊かな音量と柔らかな音色が特徴です。2オクターブの音域を持ちます。
2G明るい曲調のものに良く合います。独奏用としても使われます。これも2オクターブの音域を持ちます。
3F2Gに比べ落ち着いた響きで、リードに内声にと活躍の場が多い楽器です。これも2オクターブの音域を持ちます。
4C内声、リードと最も活躍の場の多い楽器です。 アミーゴの4Cはとても落ち着いた柔らかな響きが特徴です。
5G独特の甘い音色が特徴です。合奏では主に内声を担当します。独奏にも最適です。
6F暖かい音色の楽器です。G管同様多くの場合内声を担当します。
7Cちょっと大きい楽器で、グースでは内声や外声を担当します。アマチュアの合奏では低音部を受け持つ場合が多くあります。
9Fカンターレ製一般的に最低音のオカリナとされます。合奏においては特別の存在感を発揮します。
10Cメナーリオ製オカリナ・ファミリーの中では最低音の楽器です。豊かな低音が魅力です。


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2010/12/10