コンチェルト・ピッコロの使用楽器

リコーダー
 リコーダーとは小学校や中学校などで学んだ“縦笛”です。バロック時代のヨーロッパでは王侯貴族の楽器として流行した、歴史のある笛です。 有名なヘンデルやテレマン、バッハなどもリコーダーのために曲を書いています。海外(国内にもある)では音楽学校にリコーダー科が多く設けられています。 また、リコーダーには沢山の種類があり、片手に入る大きさのものから、2m以上のものまであります。これら沢山の種類を使って大人数で演奏するグループは“リコーダー・オーケストラ”と呼ばれ、世界中で盛んに楽しまれています。 日本においてもリコーダーの愛好家は多く、全日本の規模でコンクールも行われています。私達の使う小型のリコーダーは黒檀やツゲなどで作られており、その透き通った音色は人々を魅了します。

ティン・ホイッスル
 ティン・ホイッスルとは“錫(スズ)製の笛”という意味です。古くは、木製のフラジオレットや、ホイッスルと呼ばれたシンプルな6孔式の縦笛に起源を発します。 錫(スズ)で作られるようになってからは安価になり、イギリスなどでは1ペニーで買えることから“ペニー・ホイッスル”などとも呼ばれ、貧しい人の楽器とされたこともありました。 リコーダーとの違いは、管の内径がリコーダーは円錐であるのに対しホイッスルは円筒であることです。 さらに高音域を出すのに、リコーダーはサミングと呼ばれる、裏の孔に隙間を作って出すのに対しホイッスルは息の圧力だけで出すというところです。 指使いもフォーク・フルートに酷似しています。その音は哀愁を帯びており、アイルランド音楽では欠かせない楽器になっています。

フルート
 私達は2種類のフルートを使います。一つは現代の金属製のフルート、もう一つは100年以上前に作られた古い形の木製フルートです。 フルートは本来「木」で作られ、現在のような金属製のフルートが現れたのは19世紀初頭のことです。この2つのフルートは別の楽器と言ってよいほど全てが違います。 例えば指使いをとってもそれは言えます。現在のフルートの運指は、数学的に計算された配置と構造になっているのに対して古い形のフルートは順番に孔を開けて行く方式になっています。 また、管の構造にもリコーダーとホイッスルのように円筒(現代のフルート)と円錐(古い形のフルート)があります。 さらに詳しく言うと歌口の穴の大きさも違います。特に古い形のフルートでは、歌口の大きさが1本1本みな違います。 キーの使い方、配置なども2つのフルートは完全に異なります。音色は、古い形の木製フルートが柔らかく暖かみのあるのに対し現代の金属製フルートは透明感のある、若干鋭い音に感じられます。

ケーナ
 ケーナはフォルクローレと呼ばれる、南米インカ時代の音楽に起源を発する音楽に使われる、カーニャ(葦)で作られた縦笛です。 現在では木製の楽器も多く作られていますが、カーニャ製の透き通った音色には歴史の深さとインカの魂の様なものを感じます。 発音源はリコーダーなどと違い自分で唇の形を作って音を出します。その発音源は日本の尺八と同じであることから“南米の尺八”などと呼ぶ人もいます。 ケーナにはアルゼンチン・タイプ(細管)とボリビア・タイプ(太管)があります。 ケーナで有名な曲の代表といえば、やはりサイモンとガーファンクルで有名になった“コンドルは飛んで行く”でしょう。最近では俳優の田中健がケーナを有名にしてくれました。

オカリナ
 日本においてはNHK-TV“大黄河”のテーマ音楽で使われてから急激に浸透し始めました。 イタリア・ミラノ郊外のブドゥリオ村の菓子職人が19世紀の中頃に考案したと言われる私達のよく知ってる形のオカリナは、陶器で出来た笛です。 オカリナはその種類の半分は片手にも入るほどの大きさです。また、価格も他の楽器に比べ極端に安価なため多くの人に愛奏されています。 ジパング所属のオカリナ・バンド「ザ・グース」の演奏では、今までになかった高いレベルのオカリナ合奏が楽しめます。 オカリナもピッコロと呼ばれる小さなものから、コントラバスという大きな物まであります。私達は小型の楽器を中心に使います。

クルムホルン
 クルムホルンはリード楽器です。リードにキャップをかぶせて吹くことから“リード・キャップ楽器”と呼ばれます。 本体は長傘の柄の様に曲がっており、独特の形をしています。中世やルネサンスの絵画で天使が頬を膨らまして吹いている曲がった笛がクルムホルンです。 ちなみに“クルムホルン”とはドイツ語でクルム=曲がった、ホルン=笛(ラッパとも訳されます)、つまり“曲がった笛”という見た形から命名されています。 演奏法は頬を膨らませ、息を溜めて強く吹きます。バグパイプのバッグの役目を頬でしている訳です。 音色は若干賑やかな音で、荒い感じの響きがします。息を溜めて吹くため、長時間の演奏は不可能となります。

ギター
 現代のクラシック・ギターの元になったのは、ルネサンスからバロックに掛けて使われていた5コース10弦の楽器でした。 5コース10弦というのは、複弦の5コースという意味です。ちなみに現代のギターは単弦6コースということになります。 ボディも現代の物に比べて一回りから二回り小型でした。18世紀にはすでに現代の様な単弦6コースの楽器が出来ていましたが、ボディは小型のままでした。 フォルクローレで使われるチャランゴは古い形の複弦5コースのギターをまねて作られたものです。 ギターは大航海時代にアメリカ大陸に渡り、南アメリカ、北アメリカでそれぞれ特有の進化をしました。 マリアッチ(メキシコの小人数の楽団)で使われるクアトロ、カントリーで使われるギター(フォーク・ギター)なども進化した一つの形と言えます。 勿論エレキ・ギターも現代ならではの発展したギターの形と言えるでしょう。 私達の使用するのは大部分がクラシック・ギターですがレパートリーによってフォーク・ギターも使います。 ギターは伴奏、独奏と守備範囲のとても広い魅力溢れる楽器です。

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